医療数字のカラクリ

糖尿病の合併症リスクを減らす薬の飲み方

 UKPDS33の参加者の平均は体重86キロ、BMI31というかなりの肥満です。それより肥満度の低い、体格の小さな日本人では、このままの処方では少し薬が多すぎるかもしれません。

 そこで私は、体重が50~60キロの平均的な日本の患者さんに対しては、まず500ミリグラム朝1回で始め、次にそれを朝夕2回の1000ミリグラムで、さらにダメなら、朝1000ミリグラム、夕500ミリグラムか朝昼夕に500ミリグラムずつの計1500ミリグラムのどちらかにしています。ただし、日本人であっても体重が100キロ近い人では750ミリグラムを3回、あるいは1500ミリグラムと750ミリグラムの2回という処方を使うこともあります。

 ある患者が、こうした処方を他の医者に見せたところ、“こんな使い方は見たことない”と言われたと話してくれました。しかし、メトグルコ単剤の処方こそ、最も合併症予防効果が明らかな治療法なのです。

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名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」院長、「CMECジャーナルクラブ」編集長。自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、東大医学教育国際協力研究センター学外客員研究員。臨床研究適正評価教育機構理事。7月末に「検診や治療に疑問を感じている方! 医療の現実、教えますから広めてください!!」(ライフサイエンス出版)を出すなど著書多数。