5年前に離婚以来、ひとりで子育てをしているシングルファーザーのS男さんは、「正直、家の中の雰囲気もよくないんじゃないかと思う」とため息をつきました。
聞くと、小学5年生の息子さんが、夏休み明けから学校に行かなくなったそうです。
「理由を聞いても“別に”と言うんです。いじめを心配しましたが、息子の昔からの友人にさりげなく聞いても、いじめはなさそう。息子も、活発なタイプではないけど、いじめられているような雰囲気はない」
本人の自主性を重んじるべきかと思い、当初こそ学校に行くようにうるさく言っていたのですが、今は好きなようにさせていると話します。
しかし、S男さんの“子育てに向いていないのでは”という落ち込みはひどく、S男さん自身が食欲減退で激ヤセ。それが息子さんに伝わったのか、S男さんいわく「不登校の理由とは関係なく」、息子さんも食が進まないそうです。
まずは、S男さんと息子さん両方に補中益気湯、香蘇散、苓桂朮甘湯といった気を補う目的の漢方薬を勧めました。これらは、食欲がなく、心身が弱っている時に使う漢方薬です。
あれから1カ月。息子さんと一緒にS男さんがいらっしゃいましたが、顔色は非常に良好。不登校など気にせず、楽しい食事を心掛け、日々過ごすことにしたのだとか。
「すると、息子がポツリと言ったんです。“夏休みで朝寝坊していたら、朝起きられなくなって、遅刻は怒られるからと、学校を休むようになったんだ”って」
早寝を心掛ける生活を今、実践中とのこと。
漢方達人をめざせ!