Q
85歳になる母親が狭心症で手術が必要だと診断されています。ただ、年齢を考えると手術すべきかどうか躊躇してしまいます。心臓手術は何歳まで可能なのでしょうか。(56歳・男性)
A
心臓病は65歳以上の高齢者が圧倒的に多い病気です。2012年のデータでは、当院で行った心臓血管手術のうち、80歳以上の患者さんが12.5%を占めています。今後も高齢の心臓病患者が増えるのは間違いありません。
一般的に、心臓手術では75歳以上が「ハイリスク」とクラス分けされています。高齢になると、多くの人が高血圧や糖尿病などの合併症を抱えていたり、全身状態が衰えています。リスクがアップするのはたしかです。ただ、医療機器や技術が進歩しているいまは、「○○歳だから手術ができない」という明確な数字はないといえます。たとえ90歳を越えていても、患者さんが自分で歩いて病院に来られる状態であれば、「手術はしない方がいい」というケースはまずありません。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」