耳鼻科の病気

地声が大きいと難聴になる?

 小さな声でしゃべる人は、「小さな物音でも聞こえる」「耳の良い人が多い」「都会っぽく上品」。逆に、大きな声でしゃべる人は、「聞き返しが多かったり、耳がやや遠かったりする」「田舎出身で野蛮」――。そんな印象があると思います。

 しかし、通常の場合、地声の大きさと耳の良さは関係ありません。声帯がもともと大きな声仕様になっていれば、自然と大きな声になります。

 ちなみに私がそうです。おじいさん、おばあさんの患者さんには耳鼻科医として、聞こえやすいのでいい声だともいわれています。

 田舎の大きな家で、大きな声でないと隣の部屋まで声が届かない環境で育ったような場合には、自然と地声が大きくなることもあるでしょう。都会の小さい家で育った人が、隣の家に迷惑がかかることがあるし、大きい声を出す必要もないので、小さな声でしゃべるということもあるかもしれません。それらは地声の性質や環境による生活習慣によるもので、耳の聞こえの良しあしとは関係ないのです。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。