昔の子供は耳鼻科によく通っていました。鼻水が止まらず、病院で鼻水を吸ってもらう子供が大勢いたからです。
鼻と耳は奥でつながっています。子供の耳の管は大人に比べて太く短く、傾きも水平に近い。そのため菌が侵入しやすく、中耳炎になりやすい。
その状況は今も変わりません。耳鼻科で鼻水を吸ってもらうと子供は鼻が通るようになり、頭もスッキリして、夜よく寝るようになります。
しかし、親御さんからすれば、耳鼻科に毎日連れていくのは大変です。「いつになったら耳鼻科通いはやめられますか」という質問は、今もよく受けます。
現代社会は、さまざまなアレルギー症状を持つ子供が増えており、鼻炎を訴える子供の患者さんが多くなっています。
状態にもよりますが、子供が耳鼻科に長い期間通院して処置し続けるのは、オーソドックスでスタンダードな耳鼻科治療のひとつです。
特に小学校に入るまでの子供は、顔も頭も小さく未発達です。当然、耳と鼻がつながるスペースは大人に比べて小さい。一方で同じ場所にあるアデノイドや扁桃(へんとう)は大きいため、耳と鼻がつながるスペースはより小さくなります。その結果、小さい子供は鼻水がたまると中耳炎になりやすいのです。
しかし、小学校の高学年になると、骨格も大きくなり、アデノイドや扁桃も小さくなってくるので、スペースが確保され、鼻水がたまりにくくなります。こうなると、徐々に耳鼻科通いをする必要はなくなってきます。
いずれにせよ、お子さんが小さい時期は、たまった鼻水をきちんと吸っていくことが、発育には大切です。
専業主婦が多かった時代は、「毎日来てください」と言えましたが、今はライフスタイルが変化し、社会の第一線で忙しく働いているお母さんが多い。そのため、医師が耳鼻科通いを勧めにくい状態です。しかし、医師から「処置が必要」と言われた時は、指示通りにしたほうが治りが早いことをご理解下さい。
小まめに耳鼻科医を受診することで、お子さんの病態の変化が分かり、それに合わせてクスリを変えたり、減らしたりできる。
結果的には通院期間を短くできるのです。
耳鼻科の病気