耳鼻科の病気

子供の病院通いはいつ頃終わるのか?

 特に小学校に入るまでの子供は、顔も頭も小さく未発達です。当然、耳と鼻がつながるスペースは大人に比べて小さい。一方で同じ場所にあるアデノイドや扁桃(へんとう)は大きいため、耳と鼻がつながるスペースはより小さくなります。その結果、小さい子供は鼻水がたまると中耳炎になりやすいのです。

 しかし、小学校の高学年になると、骨格も大きくなり、アデノイドや扁桃も小さくなってくるので、スペースが確保され、鼻水がたまりにくくなります。こうなると、徐々に耳鼻科通いをする必要はなくなってきます。

 いずれにせよ、お子さんが小さい時期は、たまった鼻水をきちんと吸っていくことが、発育には大切です。

 専業主婦が多かった時代は、「毎日来てください」と言えましたが、今はライフスタイルが変化し、社会の第一線で忙しく働いているお母さんが多い。そのため、医師が耳鼻科通いを勧めにくい状態です。しかし、医師から「処置が必要」と言われた時は、指示通りにしたほうが治りが早いことをご理解下さい。

 小まめに耳鼻科医を受診することで、お子さんの病態の変化が分かり、それに合わせてクスリを変えたり、減らしたりできる。

 結果的には通院期間を短くできるのです。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。