耳鼻科の病気

うつ病治療を応用した「認知行動療法」

 難聴は音の伝わり方が障害される「伝音難聴」、音を感じる能力が障害される「感音難聴」、その両方に問題がある「混合難聴」の3つに大別できます。

 耳鳴りを訴える患者さんは難聴を患っているケースが多いのですが、目立つのは慢性「感音難聴」と思われる患者さんです。

 慢性感音難聴は加齢による難聴(老人性難聴)、騒音による難聴、遺伝性の難聴や、原因が不明のものなどがあります。

 慢性感音難聴がベースの耳鳴り治療に特効薬はありません。対症療法が基本です。

 例えば神経自体に効果があると思われるビタミン剤、循環障害が関係する可能性がある場合は循環改善剤、肩こりなどが合併する場合は筋肉を緩める薬、不眠のある場合は眠剤、不安など精神的なものが伴う場合は精神的な薬、体全体から改善するために漢方薬などを投与します。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。