外耳や特に鼓膜の奥の中耳の障害でおきる伝音難聴の患者さんの25%は、耳鳴りがあるといわれています。このとき、伝音難聴に対する治療(薬や鼓室形成術などの聴力の改善手術)を行うと、耳鳴りの軽減が期待できます。
耳の神経障害が原因の感音難聴の患者さんは約60%が耳鳴りを合併しているといわれます。特に急性タイプ(突発性難聴、メニエール病、音響外傷)は、80%以上といわれています。
大音響のロックコンサートに行ったあと、一時的に耳鳴りが出て嫌な思いをした方もいらっしゃるでしょう。
急性タイプは蝸牛(かぎゅう)にある耳の神経の細胞(有毛細胞)が一時的に障害を受け、そのまま細胞が死んでしまうことで起こります。哺乳類の耳の細胞には再生機能がないので、有毛細胞は生き返りません(鳥の場合は生き返るそうです)。
耳鼻科の病気