耳鼻科の病気

耳鳴りは難聴を伴うことが多い

 外耳や特に鼓膜の奥の中耳の障害でおきる伝音難聴の患者さんの25%は、耳鳴りがあるといわれています。このとき、伝音難聴に対する治療(薬や鼓室形成術などの聴力の改善手術)を行うと、耳鳴りの軽減が期待できます。

 耳の神経障害が原因の感音難聴の患者さんは約60%が耳鳴りを合併しているといわれます。特に急性タイプ(突発性難聴、メニエール病、音響外傷)は、80%以上といわれています。

 大音響のロックコンサートに行ったあと、一時的に耳鳴りが出て嫌な思いをした方もいらっしゃるでしょう。

 急性タイプは蝸牛(かぎゅう)にある耳の神経の細胞(有毛細胞)が一時的に障害を受け、そのまま細胞が死んでしまうことで起こります。哺乳類の耳の細胞には再生機能がないので、有毛細胞は生き返りません(鳥の場合は生き返るそうです)。

2 / 3 ページ

大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。