みなさん、鼻クソの正体がゴミの塊だということをご存じですか。空気にはさまざまなゴミが含まれていて、体の中に入らないようなさまざまな工夫がなされています。
そのひとつが鼻毛であり、ネバネバした鼻の中の粘膜です。大きなゴミは鼻毛がからめ取り、それより小さいゴミは粘膜がとらえます。鼻クソはその塊なのです。
では、鼻クソがたまりやすいのはどんな人なのでしょうか。鼻が大きく、穴がでかい人? いえいえ、違います。実は鼻の穴が小さく、鼻筋が細い人の方が鼻クソがたまりやすいともいわれています。鼻の通りが悪く、詰まりやすいからです。ですから、きれいなモデルさんや女優さんの中でも鼻筋の細い人は鼻クソがたまっていることがあるというわけです。
もちろん、鼻の内部が曲がっている人も鼻クソがたまりやすい。何も、鼻を殴られるボクサーなど特殊な人に限ったことではありません。人は誰でも成長するにつれて鼻が曲がっていくものです。その曲がりがひどい場合は一般の人でも鼻クソがたまります。しかも、取りづらい。場合によっては手術をお勧めするケースもあります。
鼻の中をきれいにしておけば、鼻クソはたまらない――。そう考えて点鼻薬や鼻うがいを熱心に行う人がいますが感心しません。逆効果になるからです。とくに血管収縮剤入りの効き目の強い点鼻薬を使っていると、やがて効果が薄れ、鼻づまりとなって鼻クソがたまりやすくなるのです。
鼻毛のお手入れに熱中するのも危険です。短く切り過ぎると、鼻毛本来の「鼻の中の保湿」や「ホコリやごみの侵入予防」機能が失われ、粘膜にゴミがベタベタくっついて鼻クソが大量に出る可能性があります。
では、鼻クソはどうやって取ればよいのでしょうか。大事なことはお風呂に入ったときに、鼻をよくかむことです。お風呂場は湿度があるので、鼻クソが取りやすいからです。それでも取れない場合は、爪を切ったきれいな指でホジホジするしかありません。
「そんなことをしたら鼻の穴が広がってしまうじゃないか」とお叱りをうけることがありますが、心配ありません。鼻をほじったくらいで鼻の
穴は広がりませんし、左右の鼻の穴を区切っている鼻中隔に穴が開くこともありません。
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