耳鼻科の病気

鼻クソの正しいほじり方

 鼻の中をきれいにしておけば、鼻クソはたまらない――。そう考えて点鼻薬や鼻うがいを熱心に行う人がいますが感心しません。逆効果になるからです。とくに血管収縮剤入りの効き目の強い点鼻薬を使っていると、やがて効果が薄れ、鼻づまりとなって鼻クソがたまりやすくなるのです。

 鼻毛のお手入れに熱中するのも危険です。短く切り過ぎると、鼻毛本来の「鼻の中の保湿」や「ホコリやごみの侵入予防」機能が失われ、粘膜にゴミがベタベタくっついて鼻クソが大量に出る可能性があります。

 では、鼻クソはどうやって取ればよいのでしょうか。大事なことはお風呂に入ったときに、鼻をよくかむことです。お風呂場は湿度があるので、鼻クソが取りやすいからです。それでも取れない場合は、爪を切ったきれいな指でホジホジするしかありません。

「そんなことをしたら鼻の穴が広がってしまうじゃないか」とお叱りをうけることがありますが、心配ありません。鼻をほじったくらいで鼻の
穴は広がりませんし、左右の鼻の穴を区切っている鼻中隔に穴が開くこともありません。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。