耳鼻科の病気

歯科インプラントに耳鼻科医の出番あり

 ところが、鼻が曲がっていて(鼻中隔弯曲症)換気管周囲のスペースが狭かったり、換気管周囲にポリープができて換気管自体が詰まっていると、炎症が起きやすいのです。

 これまでの治療は、上顎洞の下の方に鼻とつながる穴(対孔)を作り、上顎洞のうみを出していました。しかし、対孔から反対に細菌が上顎洞に入ってきてしまうため、最近は耳鼻科医が麻酔下に内視鏡を使って、換気管の穴を大きくし、周囲をきれいにします。場合によっては鼻の曲がりを矯正することもあります。

 このように鼻の構造が悪いと、インプラントの手術後に問題が起きることがあるのです。

 予防するためには、歯科医がインプラント手術前に撮る歯科用CT(コーンビームCT)を利用することです。できれば、歯の上にある鼻の部分まで撮ってもらい、鼻の曲がりや上顎洞の換気管周囲のスペースの状態を把握するといいでしょう。その上で、必要があれば耳鼻科医に鼻の状態の改善を依頼することです。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。