耳鼻科の病気

歯科との連携が必要なケース

 耳鼻咽喉科と歯科は治療分野も似通っており耳鼻咽喉科の専門医として歯科との連携が必要だと思っています。

 その一例が歯性上顎洞炎の治療です。

 その説明の前に、まずは顔の中心から左右2対、合計8つある空洞(副鼻腔)と急性副鼻腔炎について説明します。

 鼻腔は鼻中隔によって左右に分けられ、その周囲の顔の骨にはたくさんの空洞があります。

 これが副鼻腔で、頬の後ろにある上顎洞、両目の間の篩骨洞、額の部分にある前頭洞、鼻の奥にある蝶形骨洞などがあります。副鼻腔は換気管で鼻腔とつながっています。

 副鼻腔内は粘膜で覆われ、表面は「せん毛」と呼ばれる細い毛が生えています。せん毛は同一方向に動き、外から入ってきた異物を分泌物とからめて、鼻腔へ排出します。

 ところが、換気管が風邪などで塞がれると、細菌やウイルスが副鼻腔にとどまるようになります。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。