耳鼻科の病気

花粉症「重症化」するのはこれから

 日本気象協会の2015年春の花粉飛散予測(第4報)ではスギ花粉のピークは過ぎ去ったようです。“今年はあまりひどいことにならずに済んでよかった”と、胸をなで下ろしている人もいるでしょうが、油断してはいけません。

 花粉症を引き起こす抗原を持つ植物は50種類近くあります。スギ花粉の飛散が終わった後、別の花粉の飛散が最盛期を迎えることがあるのです。

 例えば、花粉症を引き起こす樹木にはスギ以外にヒノキ、シラカンバ、ハンノキ、オオバヤシャブシ、ケヤキ、コナラ、クヌギなどがあります。草本ではイネ科のカモガヤ、オオアワガエリなどの他に、キク科のブタクサ、オオブタクサ、ヨモギなどや、アサ科のカナムグラなどです。

 この中で注意しなければならないのがヒノキです。

 スギとヒノキは花粉の形がよく似ています。スギに反応する人はヒノキにも反応しやすく、スギ花粉症の方の約7割がヒノキ花粉にも反応するといわれています。

1 / 2 ページ

大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。