耳鼻科の病気

耳管開放症 鼻をすすってはいけない

 なお、この病気にかかった人が絶対にやってはいけないことがあります。それは「鼻すすり」です。

 鼻をすすると中耳から空気が抜けて耳管が閉じるため、一時的に自分の声が大きく聞こえたり、「耳詰まり」といったこの病気特有の自覚症状が消えます。ただし、これを恒常的に行うと鼓膜が内陥し、軽度の伝音難聴を起こします。

 これを正常な状態と勘違いすることで、鼓膜が中耳の内側に癒着する癒着性中耳炎を起こし、さまざまな耳の障害につながってしまいます。

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大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。