耳鼻科の病気

耳管開放症 妊娠や避妊ピルでも発症する

 ホルモンバランスの急激な変化も発症の引き金です。米国では妊婦の5人に1人が発症すると報告されています(ただし、ほとんどの人は妊娠後期や出産後に自然治癒したそうです)。避妊ピルも発症の原因とされています。

 他に、激しい運動後の水分不足や血行不良から耳管周辺の組織が弱ることで耳管が開きやすいことなどがわかっています。

 この病気は寝転がっているときより起きているときの方が症状がひどくなります。

 立ち姿勢の方が耳管が開きやすく、寝たり頭を低くすると耳管が閉じやすくなるためです。

 逆にいうと、寝転がっているときと起きているときで聞こえ方が違う、という人はこの病気を疑った方がいいというわけです。

2 / 2 ページ

大場俊彦

大場俊彦

慶應義塾大学大学院博士課程外科系終了。医学博士甲種日本耳鼻咽喉科学会認定専門医。日本レーザー医学会認定専門医。日本気管食道科学会認定専門医。米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会フェロー。国際レーザー専門医。厚生労働省補聴器適合判定医・音声言語機能等判定医。日本耳鼻咽喉科学会騒音性難聴判定医・補聴器相談医。