例年より早めに流行が始まったインフルエンザですが、患者数はまだかなり多い状態です。
インフルエンザはウイルスによる感染症で、ウイルスの構造の違いによりA型、B型、C型の3つに大別されます。流行を起こすのは主にA型とB型で、A型はソ連型と香港型に分かれます。2009年まではA型(ソ連型、香港型)とB型の3つのインフルエンザが多かったのですが、2009年春以降は、豚を起源とする「ブタ由来インフルエンザ」が出現、免疫を持たない新型として、世界中に流行しました。いわゆる「新型インフルエンザ」です。
では、今年はどの型のインフルエンザが流行しているのでしょうか。
東京都感染症情報センターによると、1月5~11日のインフルエンザ患者報告数は9806人、12~18日は8198人です。定点医療機関から送られたインフルエンザウイルス陽性140検体のうち、香港A型134、B型6でした。つまり、今年は香港A型の年というわけです。
インフルエンザは38度以上の高熱が出て、悪寒、関節・筋肉痛に悩まされるのが特徴です。高齢者は肺炎などを重症化しやすい。A型はウイルス変化が激しく、感染力が強いため、流行しやすいことが知られています。
今年は強力な香港A型が流行しているため、症状が強く出ている人も多いようです。
なお、一度インフルエンザにかかると免疫ができるため、そのシーズン中に同じ型のインフルエンザウイルスに感染することはありません。
しかし、インフルエンザウイルスは3種類が同時に流行していることもあります。1シーズン中に、あるひとつの型にかかったあとに、今度は別の型にかかってしまうこともあり得ます。用心しましょう。
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