知らなきゃ損!

象の関節痛が改善 人間にも効果あり?

 1980年締結のワシントン条約以降、希少動物の乱獲や輸出入が厳しく制限されている。さらに金銭での売買も禁止されているため、動物園の動物が全国的に“高齢化”。すると増えるのが、人間と同様、加齢による関節痛やがんなどの疾患だ。

 多摩動物公園のアフリカ象「タマオ」の異変に、獣医師の原樹子さんが気づいたのは2005年。右後肢の動きが不自然で、立ち止まっている時は左半身に重心をかけていた。横になって寝ていたのに、立ったまま寝るように。当時タマオは、人間でいうシニアに相当する38歳。原さんは「激痛を我慢しているのが表情で分かった」と話す。

 原因は、関節軟膏の消耗と足根関節の変形。寒さや鎖につないでいた後遺症も考えられた。タマオを元気にする方法を探していた原さんがたどり着いたのは、競走馬の関節トラブルに効果が認められていた「コラーゲン・トリペプチド」。従来のコラーゲンよりも吸収率などを高めた成分だ。

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