知らなきゃ損!

コレステロールは高くていい?

 本紙の特集記事でも触れたが、厚労省が「コレステロールの1日の摂取基準値」を撤廃し、日本動脈硬化学会がそれに追随する見解を出した。「このニュースを見て、“コレステロールは高くても問題ないんだ”と早とちりしている人が多くて困る」と話すのは、“血管系”の病気の治療を積極的に行っている都内の内科医。

「これまで『コレステロールを上げるからあまり食べるな』といわれていた卵が、コレステロール上昇に関係ないことがわかった。健康な人なら、食事内容とコレステロールの上昇に関係がないこともわかった。だけど、コレステロール、特に悪玉コレステロールが高いと、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなるのは変わらない。決して『コレステロールが高くてOK』という意味ではないのです」

 悪玉コレステロールが高い人は積極的に食事改善や運動に取り組むこと。薬物治療を始めるのがベター。そう、内科医は強調する。

 Aさんは、50代前半からコレステロールが高かったが、だるさや痛みなどの自覚症状がないのをいいことに放置していた。60歳を前に心筋梗塞を起こし、それがきっかけで社内の居場所を失い、早期退職。

「仕事が生きがいだったのに、全うできなかった。女房がまだ働いているが、家庭全体の収入は激減し、老後は旅行であちこちに、という夢がついえた。もっと早く手を打つべきだった」(Aさん)

 後悔先に立たずだ。