漢方達人をめざせ!

肥満、薄毛、椎間板ヘルニアすべてにいいのは?

Kさん(42)は、学生時代より体重が10キロ近く増え、何年も前から健康診断で高血糖を指摘されています。

「なんとか血糖値を下げることはできないだろうか?」

 1年ほど前、Kさんから相談されました。高血糖対策のためには、生活習慣改善が不可欠。肥満解消のために食生活を見直し、できれば適度な運動も行った方がいい。そうアドバイスしたところ、Kさんはすぐに実行に移しました。

 もともとKさんは料理が得意で、体を動かすのも嫌いではない。この10年、仕事が猛烈に忙しく、体を気遣う余裕がなかっただけ。Kさんは約半年で4キロやせ、「このままいくと、学生時代の体重も夢ではない」と思い始めました。そして、さらに「漢方薬を追加するなら何がいいかな?」という相談が。

 私は、血糖値以外の悩みをたずねました。するとKさんは、薄毛と椎間板ヘルニアの発作を挙げました。

 処方したのは、八味地黄丸、防已黄耆湯です。八味地黄丸は低下した生命力や免疫力、自然治癒力などを正常に戻す作用があります。防已黄耆湯は疲れやすく、汗をかきやすく、肥満気味の場合にいい。

 漢方薬を飲み始めてさらに半年。生活習慣改善と漢方薬で、Kさんはすっかり引き締まった体つきになり、血糖値も下がりました。薄毛と椎間板ヘルニアの悩みも解消されたそうです。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。