漢方達人をめざせ!

“漢方茶”で風邪予防

 親子で通ってくださっているYさん。小学生のお子さんは、季節の変わり目や暑くなって冷房を入れ始めた時などにうまく体の切り替えができないようで、しょっちゅう風邪をひきます。

「何か漢方薬を処方してくれませんか?」とYさん。そこで、「風邪をひきにくくするために、予防的に飲むなら“薬”じゃない方がいいですよね? 日常的に飲めるお茶がいいでしょう」とお勧めしました。

“漢方茶”と呼んでいますが、いくつかの生薬を組み合わせたものです。治療というよりは病気の予防や体質改善に飲んでいただくことが多く、もちろんお子さんもOKです。

 Yさんに勧めたのは、生姜、板藍根、エゾウコギ、金銀花、明日葉などが入ったお茶です。

 生姜は、体を温めます。板藍根は天然の抗生剤といわれているものですが、西洋薬の抗生剤と違って耐性はできません。エゾウコギは抗ストレス作用に優れ、金銀花は解毒作用があるうえ、喉の痛みや咳対策にも使います。明日葉は、体に「力」をつける働きがあります。

 Yさんによれば、飲み始めてからお子さんは一度も風邪をひいていないそうです。クシュンとすることはあっても、本格的な風邪に移行しないといいます。最近は、家族みんなで飲んでいるとか。

 お茶なので、楽しみながら飲めるのもポイントです。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。