花粉症の薬はいろいろありますが、腎が弱い人には「腎」を補う「補腎薬」を組み合わせて処方することがよくあります。「腎が弱い」というのは、たとえば排尿回数が多い人、腰がだるい人、むくみやすい人、体が冷える人、などです。
よく使う補腎薬は、八味地黄丸です。「麻黄附子細辛湯+八味地黄丸」や「小青竜湯+八味地黄丸」といった出し方をします。花粉症の症状の中でも、特に鼻水にはてきめんに効果を発揮します。
ただし、麻黄附子細辛湯と八味地黄丸は、どちらも「附子(トリカブトの製剤)」が入っているので、注意が必要です。この2つを組み合わせる時は、自己判断ではなく、必ず漢方薬剤師の指示に従ってください。
私が花粉症を自覚したのは小学6年生の頃。父親が乳児院院長、母親が薬剤師という家庭だったので、西洋薬で対処していました。
しかし大学に入り、漢方の勉強を専門的に始め、「西洋薬がそこそこ効いているとはいえ、その場しのぎの対症療法でいいのか」と思い、漢方薬で体質を改善することに。東洋医学では、体内のバランスが乱れると不調が出ると考えられています。過剰なものは下げ、足らないものは補うようにしていくと、徐々に花粉症の症状が出にくくなっていきました。同時に、肩凝りや腰痛、胃腸の不調なども良くなっていったのです。
時間はかかりますが、本当に花粉症を解決したければ体質改善が不可欠。来年に向けて、今から始めませんか?
漢方達人をめざせ!