漢方達人をめざせ!

子供の不調の原因は親

 生まれてからの年数が短い子供は、体質改善にかかる期間も短い。たとえば10歳の子なら、1年くらいでみるみる体質が改善されます。花粉症やアレルギー体質など……。なんでもかんでも薬に頼ればいいというわけではないにしろ、子供のことで悩みがあるようなら、気軽に漢方薬局に相談に来ていただきたいですね。
 最近は、「子供が疲れやすい」という相談が結構多い。疲れには、西洋医学ではビタミン剤などが処方されます。でも、東洋医学では、どんな疲労かが重要になってきます。体が重い、食が細い、便通が悪い、などなど。
 問題があるのは生活内容なのか、臓器なのかを見極めなくてはなりません。
 親は毎日子供を見ているので、かえって疲労感の原因を発見できない。さらに、親が子供の体質をつくっているケースもよくあります。
 親がイライラしてよく怒るような家庭環境では、子供は萎縮して「肝」が弱くなる。血の流れが悪くなる、体が冷えやすくなる、ということもあります。親、子供双方の話をよく聞くと、子供の「性格」や「体質」だと思われていたことが、周囲の環境でつくられたものだと分かるケースもあるのです。
 親も子も、どこでつまずいたのか。私の仕事は時に、カウンセラーとしての役割も求められます。子供の相談でいらしたけど、本当は親に漢方薬の処方が必要だったということは珍しくありません。

久保田佳代

久保田佳代

父は乳児院院長、母は薬剤師、長女は歯科医、次女は眼科専門医という医療一家に産まれたが、昨今の臓器医療である西洋医学とは違い、人に向き合い、カラダとココロの両面から治療が行える漢方を志し20余年経つ。昭和薬科大学卒業、老舗漢方薬局を経て、「氣生薬局」開局。サプリメントアドバイザー、漢方茶マイスター、日本プロカウンセリング協会1級など多数資格取得。「不妊症改善における実力薬局100選」に選ばれている。