どうなる! 日本の医療

成田市が医療特区に入ったのはなぜ

 昨年の政府の関連会議では「検討し結論を得る」と記され、その後の記者会見で国家戦略特区の石破茂特命担当大臣も「医師不足も国際化も十分理解した。その意味で早く結論を出すという意味で“結論を出す”と記した」と発言している。

 日本医師会、全国医学部長会議、地元医師会は「この先、人口減少が見込まれる一方で、医師の数は07年からの医学部定員増により、15医学部新設と同じ効果が出ている。新設大学は国際性を強調するが、従来の医大との違いも不明瞭」などの理由で反対しているが、関係者の間では成田市の医大新設は既定路線とささやかれている。それにしても、なぜ、成田市なのか。

「財政力です。他に医師数が足りないエリアもあるがそこが違う。空港からの税収もあり年間の歳入総額は650億円。財政力指数で見れば、10万人以上の都市の中で全国4位の豊かさです」(霞が関関係者)

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。