どうなる! 日本の医療

勤務医が危ない

 この医師は単身赴任で、家族に会えるのは月に数回だという。

 話を聞いた後も急患が次々と運び込まれてくる。朝6時半、トイレで大量下血して担ぎ込まれてきた患者を含めてこの日の急患は8人を数えた。2人の医師は交代で1、2時間仮眠したとはいえ、ほとんど徹夜だった。

 しかも、その状態から、さらに夜9、10時まで通常勤務が待っている。

 医師の良心と善意によって支えられるいまの医療。それがいつまで続けられるのか? 日本の医療はいま崖っぷちに立たされている。

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村吉健

村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。