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物忘れは認知症のサインか

「最近、物忘れが多い。仕事の予定を忘れたり、物を置き忘れたり……これって認知症ですか?」

 55歳男性からの質問に、国際医療福祉大学教授・〆谷直人先生が答えてくれました。

「物忘れの多くは老化現象によるもの。知能など精神機能が低下する認知症とは別です」

 〆谷先生によると、記憶力は20代をピークに減退し始めるといいます。60歳近くなると物忘れが増えるのは当たり前。相談者のように約束をうっかり忘れたり、人の名前が出てこなかったりするのは、一般的な老化現象と考えられます。

 一方、認知症の場合は「物忘れの自覚がない」「ヒントをもらっても思い出せない」「自分の経験した出来事自体を忘れる」などの特徴があります。

「ほかにも『日時の認識が混乱する』『怒りっぽくなる』といった症状があれば、認知症の疑いあり。精神科や神経科、老年科を受診してみてください」

 ただし、睡眠薬や精神安定剤など薬物の副作用が物忘れや知能低下を引き起こすことも。脳疾患、うつ病、甲状腺機能低下症などの病気も、重度の物忘れの要因となり得ます。

 いずれにせよ、日常生活に支障が出るほど物忘れが激しい場合は、かかりつけの医師に相談しましょう。

「過労や精神的ストレス、睡眠不足や栄養バランスの乱れも物忘れを助長します。心身が疲弊し、集中力が低下するからです」
 まずは十分休息をとり、生活習慣を見直すべし!