?に答えます

悪い夢ばかり見るのはなぜ

 最近、悪夢ばかり見るのは、なぜ?

「夢を見たなら悪夢が多くても不思議ではありません。なぜなら、悪夢のほうが覚えている確率が高いからです」

 こう教えてくれるのは、金沢大学の櫻井武教授。

 睡眠中にはレム睡眠とノンレム睡眠が交互に訪れますが、内容に富んだ夢を見るのはレム睡眠の時。大脳辺縁系が稼働していて、脳内の記憶断片が夢として表れます。

 ここで起きれば夢の記憶があるのですが、ノンレム睡眠に移行して数分経ってからでは、すでに忘れています。夢を覚えているのは、レム睡眠中かその直後に目が覚めた場合だけなのです。

「レム睡眠中の被験者を無理やり起こして夢の内容を聞くと、特に悪夢が多いという結果にはなりません。しかし、普段の夢の内容を自己申告してもらうと、悪夢が8割。これは、悪夢のほうが目が覚めやすいからです」

 つまり、本来覚えていないはずの夢を覚えているということは、悪夢によって目が覚めてしまった可能性が高いというわけ。

 一方、興奮するほど良い夢を覚えている人も少なくないのだとか。

「レム睡眠中は体が寝ているのに脳が稼働しており、大脳辺縁系が活発に活動しています。これは脳にとっては非常事態。すごくうれしいとか、怖いとか、極端な感情がある時と同じ状態です。そのため、良い夢は極端に良すぎる傾向があり、やはり目が覚めやすいのだと考えられます」

 良い夢でも悪い夢でも、気にしないで!