レジリエンス高め若々しく生きる

細胞を浄化する2つの食事法

 IFも同様で、心筋肥大が減り、心筋細胞の酸化ストレスが軽減します。また、マウスの虚血再灌流障害モデルで心筋梗塞の領域が減ることもわかっています。

 CRとIFによってこうした効果が生まれるのは、サーチュインと呼ばれる長寿遺伝子が活性化し、ケトン体が増えることでオートファジーという細胞の浄化作用が起こるためです。

 実は、経済発展率がそれほど高くなくても、イスラム教が普及している国では比較的平均寿命が長いことがわかっています。これは、イスラム教の「ラマダン」という絶食の習慣が、何らかの形で寿命に良い影響を与えていることを示唆していると考えられます。

 ただし、IFは安全性の面で未確立な部分が多いため、まずは「腹七分目の食事」=「CR」を心がけてみることをおすすめします。

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江田証

江田証

1971年、栃木県生まれ。自治医科大学大学院医学研究科卒。日本消化器病学会奨励賞受賞。日本消化器内視鏡学会専門医。日本ヘリコバクター学会認定ピロリ菌感染認定医。ピロリ菌感染胃粘膜において、胃がん発生に重要な役割を果たしているCDX2遺伝子が発現していることを世界で初めて米国消化器病学会で発表した。著書多数。