有名病院 この診療科のイチ押し治療

【超微小外科手術】 東京大学附属病院形成外科・美容外科(東京・文京区)

東京大学附属病院形成外科の光嶋勲教授(提供写真)

 リンパ浮腫の治療法は、光嶋教授が90年に開発し、他にも栄養を送る細い血管が付いた神経束を使った再建、神経束を途中で割いて長くしてつなげる再建など、数々の術式を編み出してきた。

 耳の入り口付近の軟骨を使って気管を作る、ヘソの組織で耳穴を作る、足指の股の組織で口角を作る、耳の縁の一部で鼻穴を作る、盲腸から尿道を作るなどの再建も行う。

 同科には、一般外科や耳鼻咽喉科からも医師が再建医療の技術習得のためスタッフとして参加している。

「スーパーマイクロサージャリーは、さまざまな診療科で応用できます。ここ数年は0・1ミリ前後の吻合が可能な“ナノマイクロサージャリー”も始めています。微小な血管がつながればつながるほど、最高の再建手術ができるのです」

 光嶋教授は海外で公開手術や講演などを行い、日本の再建外科の技術を発信し続けている。

 1858(安政5)年設立の「神田お玉ケ池種痘所」が起源。1960年に国内初の形成外科を開設。
◆スタッフ数=助教以上の常勤医9人(合計18人)
◆年間初診患者数(2014年度)=775人
◆超微小外科手術数(同)=287例

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