有名病院 この診療科のイチ押し治療

【食道がんの鏡視下手術】 昭和大学病院消化器・一般外科(東京・品川区)

昭和大学病院消化器・一般外科の村上雅彦教授(提供写真)

 鏡視下手術のデメリットは、医師の技術の習得が難しい点。患者は施設、医師選びを慎重にする必要がある。他施設でも胸腔鏡・腹腔鏡併用は行われているが、胸腔鏡・開腹併用や開胸・腹腔鏡併用と並行して実施しているケースがほとんど。全症例を胸腔鏡・腹腔鏡併用で行っている施設は、同科を筆頭に全国でも2、3施設しかない。

「他のがんと違って、食道がん手術は施設によって技術の差が大きい。それは食道がんの罹患数が胃がんの6分の1程度しかなく、医師が手術の経験を積みにくいからです。食道がん手術は月間2例でも多い方で、年間50例以上あるのは全国20施設くらいに集中しています。手術数の多い施設ほど技量が高いのです」

 日本内視鏡外科学会の食道部門の技術認定医(約40人)が3人いるのもここだけだ。食道がんの胸腔鏡・腹腔鏡併用のこれまでの実績は約650例。

3 / 4 ページ