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【女性アスリート外来】 順天堂大学医学部付属順天堂医院(東京都文京区)

順天堂大学医学部付属順天堂医院の北出真理准教授(提供写真)

起こしやすくなる。

「月経がないのは、女性ホルモンのエストロゲン分泌が低下し、排卵がないことを意味します。エストロゲンは骨の新陳代謝やカルシウム吸収に関わっていて、これが低下すると丈夫な骨がつくられなくなります」

 骨を強くできる時期は思春期に限られている。女性は12~14歳に骨密度の増加率がピークを迎え、18歳頃に骨量は最大になる。この時期に十分な栄養の摂取や女性ホルモンの正常な分泌がないと、若いうちから骨粗しょう症になり、治療が長引く場合が多い。一度、疲労骨折を起こすと、最悪の場合は選手生命を絶たれるケースもある。

「しかし、学生選手などには月経異常を気にしていない人もいて、疲労骨折を起こして初めて問題が発覚するケースがあります。コーチも無月経に問題があることは知っていても、どう対応したらよいか分からない。現時点でのパフォーマンスを優先するあまり、対応が後回しになってしまうのです」

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