有名病院 この診療科のイチ押し治療

【アレルギー】 国立病院機構相模原病院アレルギー科(神奈川県・相模原市)

(C)日刊ゲンダイ

 食物アレルギーでは、短時間で急激に呼吸困難などの全身症状が出るアナフィラキシー反応が起こると命も危ない。そんな経験がある患者には、症状をやわらげる自己注射薬の処方が推奨されているが、実際に行われているのは5割である。

「子供のアナフィラキシーは学校給食があるので、全国的に対応できていますが、問題は大人です。一度救急搬送されても、その後に検査や指導してくれる“かかりつけ医”が非常に少ない。“どこも診てくれない”と困った末に来院する患者さんもいます」

 施設で診療内容にバラつきが出るのは、アレルギー疾患を常に勉強している医師が少ないことが背景にある。国内最大の日本内科学会の会員数は約10万人、消化器病学会でも約3万人、比べてアレルギー学会は約1万人しかいない。日本アレルギー学会は非学会員にも門戸を開き、学会への参加、講習会の開催を始めた。

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