有名病院 この診療科のイチ押し治療

【日帰りレーシック】 お茶の水・井上眼科クリニック・屈折矯正外来レーシックセンター

(提供写真)

 目の角膜にレーザーを照射して視力を矯正するレーシック手術。日本眼科学会によると、この手術によって90%以上の人が裸眼視力1・0以上に回復するとされている。ただし、保険外診療なので治療費用は施設によって異なり全額自費。合併症や後遺症のリスクもあるので、受ける眼科は慎重に選びたい。

 本院の「井上眼科病院」は、首都圏では知る人ぞ知る「眼の総合病院」。屈折矯正外来レーシックセンター(「お茶の水・井上眼科クリニック)は現在、日帰り手術のレーシックを行う。

「当院のレーシック手術は、適応があるかどうかの検査の診断から手術、術後のフォローまで一貫して私が責任を持って担当しています」と話すのは、玉置正一屈折矯正外来レーシックセンター長。これまでレーシック手術を筆頭に1万症例以上の眼科手術の実績を持ち、4年前からセンター長を務める。

「視力矯正は、ただ遠くがよく見えればいいというものではなく、個々の仕事やライフスタイルによって必要な視力が違ってきます。その人にとって最も適した視力を見極めることが大事。そのためにも、特にレーシック手術は、患者さんの希望をきちんとくみ取るコミュニケーションが非常に重要になります」

 そう力説するのも、レーシック手術後の「過矯正」が問題になるケースが少なくないからだ。度の合わない眼鏡をかけているのと同じように、ピント調節など視機能全体のバランスが崩れ、目の疲れや痛み、頭痛、吐き気などの症状が表れる。昨年、レーシック手術については他の専門クリニックで集団訴訟も起きている。

「合併症の問題は、レーシックはどのような手術なのか、患者さんにリスクも含めて十分に説明する必要があります。ただ、説明や診断をする医師、手術する医師と分担して大勢の患者さんに接していると、患者さんが十分理解しないまま手術を行い、トラブルになる可能性がある。ですから、当院は担当医1人体制ですべての患者さんを目の届く範囲内で診ています」

 手術は、点眼麻酔をし、角膜にまずフラップと呼ばれるふたのような形をつくる。フラップをめくり、角膜の実質をレーザーで削って屈折力を変える。

 そして、めくったフラップを戻して自然に接着させる。手術室に入って出るまで両目で10~15分。費用は同院の場合、両眼32万円、片眼16万円だ。

「手術をした患者さんにアンケートを取らせてもらっていますが、『大変満足』『満足』と答えてくれる方が94~95%です。『受けなければよかった』という方は今のところいません。6D(屈折異常の程度)までの近視であれば、96%くらいの方が1・0以上に回復します」

 強度近視や角膜が薄くてレーシックの適応にならない場合でも、同外来では「フェイキックIOL」という眼球内にレンズを挿入する屈折矯正手術も行っている。

「レーシックは病気を治すというよりは、QOLを向上させるプラスの医療。受けるなら生涯にわたってアフターケアのできる眼科医療全般を担う総合施設が、一番安心だと思います」

 個別相談にも応じているレーシック説明会も月1回、無料で開いている。

 本院の井上眼科病院(東京・御茶ノ水)は東京大学眼科学教室の創始者・井上達也医師が約130年前(明治14年)に設立した。5つの施設を擁する。
◆初診患者数(2013年度)=4万7514人
◆レーシック手術件数(13年度)=358眼(188人)