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【痔の手術】 東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター(東京・新宿区)

(C)日刊ゲンダイ

「紹介されてくる患者さんの疾患の中で難しい症例は、やはり痔瘻。痔核で紹介されてくる多くは、抗血栓薬を飲んでいたり、腰椎麻酔ができないなど、他の病院では対応できないケースです」

 痔の手術にはさまざまな術式があり、どれも一長一短。

 その選択基準は担当医の考えに委ねられ、患者のニーズに合わせてテーラーメード的に治療方法を提示する。

 たとえば「痛みを減らしたい」「仕事を休めない」「出血を少なくしたい」などの患者の要望と根治性のバランスを考える。佐原センター長は、特に痔瘻の手術では「低侵襲を一番に心がけ、いかに根治性を上げるか」という考えが基本姿勢だ。

「これまでは、痔瘻のもとを取るような術式が行われてきましたが、果たしてそれでいいのか。痔瘻のもとを取るとなると、肛門の中までいじります。そこに傷ができると、術後の排便時の痛みが強い。私がメーンにやっている痔瘻の治療は肛門の中はいじりません。肛門の外からアプローチする術式なので、術後の痛みがあまり出ません」

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