有名病院 この診療科のイチ押し治療

【ロボサージャン手術】 東京医科歯科大学付属病院・泌尿器科(東京都・文京区)

(提供写真)

 仮に緊急事態が起きても、瞬時に開腹手術に変更できるのもメリットだ。しかし、同科がこれまで実施した約3000例で開腹手術に変更したケースは、特殊な例以外はないという。

 また、従来の腹腔鏡下手術よりも患者の負担が少ないのは、「炭酸ガスを使わない、腹膜を傷つけない」からだ。腹腔鏡下手術は、腸を包む腹膜の中に炭酸ガスを充満させ、スペースをつくって手術をする。

「ミニマム創内視鏡下手術では腹腔内はいじらず、鉤(先が曲がった器具)を使ってスペースをつくります。ガス注入による合併症のリスクも、術後の腸閉塞などのリスクも回避できます」

 さらに、この術式は使用する器具をどんどん進化させ、同科では12年からロボット技術を導入。頭に3Dヘッドマウントディスプレーを装着し、手にはロボット用高性能先端機器を持って、ミニマム創内視鏡下手術を行う、通称「ロボサージャン手術」と呼ぶ。

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