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【網膜硝子体手術】 杏林大学医学部付属病院・アイセンター(東京・三鷹市)

(提供写真)

 具体的には、黒目の縁の白目の部分の3カ所に極細の管を通す。そこから眼球内を照らすライト、組織を切断する硝子体カッターやハサミ、眼圧を保つための液体を注入する管を挿入して、手術顕微鏡で眼底をのぞきながら操作する。

「以前の手術器具は20ゲージ(0・9ミリ径)でしたが、いまは25ゲージ(0・5ミリ径)を使う小切開硝子体手術がメーンになっています。傷が小さく縫合の必要がないので回復が早い。より安全で侵襲が少なく質の高い手術ができます。症例によっては、さらに細い27ゲージ(0・4ミリ径)の手術も始めています」

 網膜剥離や糖尿病網膜症では、初期や軽症であれば薬やレーザー光凝固術で治すこともできる。

 しかし、同センターに進行した硝子体手術の対象患者が多く集まるのは、地域の中核的医療センターとして設備を充実させているからだ。基本的に受診者は救急患者を除き、紹介患者に限っている。

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