有名病院 この診療科のイチ押し治療

【多剤耐性結核治療】 複十字病院・呼吸器外科(東京・清瀬市)

(提供写真)

 もうひとつ大きな特色は、国内最大規模の非結核性抗酸菌症の診療を行っていること。非結核性抗酸菌とは、結核菌とライ菌以外の抗酸菌の総称で、症状の咳、痰、血痰などは結核と似ているが、他人にうつることはない。

「国内罹患者は増加傾向にあり、結核より多いといわれています。しかし、この病気を知らない医師も多く、結核や気管支炎と間違われて紹介されてくる患者さんは多い。治療は、抗菌薬などを使う内科治療が第1選択ですが、薬でよくならなければ手術対象になります」

 非結核性抗酸菌症の外科治療は、国内の多くの施設では年間数件あるかないか。同科では年間20~30件をこなす。米国の胸部学会のガイドラインで同科の外科治療の論文が2本引用され、海外でも高い評価を受けている。術式は結核手術ともに、胸腔鏡を利用して小さな傷で低侵襲の開胸手術をする胸腔鏡補助下手術を積極的に行っている。

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