医者も知らない医学の新常識

「不妊治療」は「乳がん」を増やす?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 それによると、現在では使用されていないような、高用量の排卵誘発剤を使用した場合に、1・7~2倍程度の乳がんの増加が認められました。ただし、治療全体としては、そうした増加は認められませんでした。

 つまり、通常行われている不妊治療で、乳がんが増えるという心配はなさそうです。

 日本でもこうした調査が必要だと思いますが、不妊治療で生まれたお子さんとお母さんの健康状態をチェックするような仕組みがない以上、それは難しいことなのかも知れません。

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石原藤樹

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。