しかし、専門の精神科医のほうは、「予防」より、もっぱら「治療」を本分とする職種ですので、初めから「うつ病を治療しよう」という視点で接してきます。そのうえ、うつ病の治療の中心は「休息」とされていますので、当然の帰結として長期休職者が大量に生まれかねません。
企業にとって最大の課題は、②の医師面接に際して、医師に制度の趣旨の理解を求めることです。「診断も治療も不要です。むしろ、わが社の社員にストレスケアの方法をご教示ください」というように指示してください。
結局のところ、ストレスチェック制度を企業の経営改善に役立てるか、それとも経営体力損失を招くかは、面接を行う医師が制度の趣旨を理解しているかにかかっています。企業としては、面接担当医との意思の疎通は重大な課題といえるでしょう。
薬に頼らないこころの健康法Q&A