例年11~1月がピーク 「新型ノロウイルス」ジワリ接近中

ウイルス汚染海域でとれた二枚貝もアブナイ(C)日刊ゲンダイ

 また、症状が消えた後も2週間から1カ月くらい、排泄などでウイルスを出す点、ウイルスを持っているのに、下痢症状が出ない不顕性感染者が3分の1ほどいる点も恐ろしい。感染の可能性があるのです。消毒用アルコールの効果が薄いことも事実。体力が弱い子供や年寄りがかかりやすいことも含め、甘く見てはいけません」

 ノロウイルスは糞便1グラムの中に1億個、嘔吐物1グラムの中には100万個ほどいるといわれる。この粒子が「10~100個のごく少量」(藤井氏)体内に入ると感染するという。驚くべき感染力だ。

「感染ルートは、ひとつは感染者が治ったと思って調理場に立ち、手で触れた食品に付着して感染の原因になるケース。仕出し弁当、総菜、サンドイッチ、寿司などです。さらに、人から人へもあり得ます。老人ホームなどで感染者が触れたドアノブや蛇口、雑誌や道具に触ってしまい次々に……とか。子供たちもこのケースが多いはず。嘔吐した患者の口の中にウイルスが残り、くしゃみや咳で相手にうつる可能性だってあるでしょうね」

 感染防止には「外から帰ったら必ず手洗いをする」が基本だが、それだけでは心もとない。我々サラリーマンも冬の間は素手で触れたモノは食べない、かかった人には2~3週間近づかない、通勤電車内は不織布マスクなどでガードする――。このくらいは実行すべきかもしれない。

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