家計簿を見れば病気がわかる

生野菜好きの東日本は高血圧患者が少ない

(C)日刊ゲンダイ

 興味深いのはトップの新潟といえど、すべて食べ切ったとしても、1日当たり600グラムにならないこと。「家計調査」は2人以上の世帯を対象としていますから、1人当たり300グラム以下。実際にはもっと人数が多いはずで、捨てる部分もかなりあります。もちろん外食などで取る分もあるでしょうが、厚労省が掲げる目標値を毎日クリアするのは、難しいことがわかります。

 では、都道府県別の高血圧の受療率(人口10万人当たり・1日当たりの外来・入院患者の総数)はどうでしょうか。やはり神奈川、埼玉など関東を中心に東日本が低く、山陰や中国など西日本が高いことがわかります。

 もちろん家計調査も受療率も、かなり大ざっぱな数字です。しかし、野菜を多く購入している県は高血圧患者が少なく、野菜が少ない県ほど患者が多くなる傾向にあることがわかるのです。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。