その主な症状は「痛み」です。下肢の動脈が狭くなり血流が減るため、歩くと足の痛みや痺れが出て止まると良くなる症状(間欠性跛行)が有名で、重症度はFontaine分類で分かります(I無症状、Ⅱ間欠性跛行、Ⅲ安静時痛、Ⅳ潰瘍・壊死)。
また、重症になると潰瘍や足が腐ってしまうこともあります。下部大動脈や両側総腸骨動脈が狭くなると、お尻と両大腿部が痛くなるタイプの間欠性跛行と、両足が冷たく白くなる症状が生じ、レリッシュ症候群とも呼ばれます。
とはいえ、“手や足の細い血管が詰まったとしても生死に関係ないのでは”と考える人がいるでしょう。しかし、それは間違いです。
末梢動脈疾患の発症は全身の動脈硬化が原因です。手や足の動脈が詰まっているということは心臓や首の血管といった他の血管も狭くなっているケースが決して珍しくないのです。
しなやかな血管が命を守る