どうなる! 日本の医療

TPP大筋合意 庶民は最新治療を受けられなくなる

大筋合意を自民党内で説明する甘利TPP担当相(C)日刊ゲンダイ

 TPP(環太平洋経済連携協定)が大筋合意した。予想通り、最後まで合意できなかったのは医療分野で、バイオ薬品のデータ保護期間だった。

 かねて本紙で「TPPは米国が日本の富をすべて奪い尽くす悪協定。これが締結されれば、いよいよ日本の医療は崖っぷちです」と警告していた外科医で医療制度研究会副理事長の本田宏氏が言う。

「最終的に先進国がギリギリ認められる8年で決着がついたというのは先進国が勝ったということ。新薬がジェネリック薬品として低価格でオープンになるまでの期間が遅くなることを意味し、米国の薬品会社に有利な流れができたことにほかなりません」

 この流れを受け、日本の医療はどう変わるのか。

「これまで新たな診断法や治療法、新薬などは出来る限り保険収載され、公的保険の加入者は恩恵を受けてきました。今後、最先端治療や新薬を開発した製薬会社などが、強気の値段をつけることが予想されます。そのため、保険適用は見送られ、自費で500万円、1000万円の費用を払える患者しか最新治療は受けられなくなります」

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村吉健

地方紙新聞社記者を経てフリーに転身。取材を通じて永田町・霞が関に厚い人脈を築く。当初は主に政治分野の取材が多かったが歴代厚労相取材などを経て、医療分野にも造詣を深める。医療では個々の病気治療法や病院取材も数多く執筆しているが、それ以上に今の現代日本の医療制度問題や医療システム内の問題点などにも鋭く切り込む。現在、夕刊紙、週刊誌、月刊誌などで活躍中。