介護の現場

冷凍食品と無駄な薬でカモられる入居者

予想外に医療費が多い(C)日刊ゲンダイ

「特養やグループホームなど、どんな老人ホームでも、入居者が最も生きがいを感じる時は何か分かりますか。1日3食の食事ですよ」

 こう語るのは、介護福祉士で、東京都下の某市で福祉行政協議会委員を務めている高橋幸雄さん(仮名、62歳)である。

 今日はどんな食事が出るのか。カレー、コロッケ、焼き魚、日本そば……。食堂の壁に1週間分の献立表が張られ、食事に介助が必要な高齢者の隣には、介護士や職員たちが座る。

「社会福祉法人などが運営する特養老人ホームが健全な経営を行うためには、この食事の出費が大きな課題になります。介護保険負担限度額の食事代は、入居者の年金支給額、または個室やユニットによっても細かく分かれていますが、だいたい1カ月9000円からあります。また、認知症が進んでいるグループホームの入居者の場合、個人負担の食事代は3万円ほどですね」

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