介護の現場

冷凍食品と無駄な薬でカモられる入居者

予想外に医療費が多い(C)日刊ゲンダイ

 特養老人ホームには平均して毎月1回、契約している病院の医師が往診のために訪ねてくる。または決められた日に、入居者が職員に引率されて病院に出向く。

「診察は聴診器を胸と背中に当てて、あるいは血圧を測ってほぼ終わりです。その後、薬を1カ月分ほど渡されますが、血圧の薬、精神安定剤、睡眠薬、その他もろもろが大量に処方される。私は医学には素人ですが、長年、高齢者を見てきて、『この人にこの薬はもう不必要』と思うことがあります。それでも処方されます。これは実に無駄な薬でないかと思うのです」

 医療費は個人負担で、診察代、医薬品代は入居者が支払うことになる。そのため、入居者も知らず知らずのうちに、予想外に多い医療費を支払っている場合もあるのだ。医薬品については、別の問題もある。

 薬を飲み忘れて、べッドの横に山のように残していたり、逆に1週間分を1日で服用する入居者もいるために、薬の服用には介助が欠かせない。

3 / 4 ページ