Q
大動脈弁狭窄症で弁を人工弁に交換する手術を勧められています。人工弁には生体弁と機械弁の2種類があるようですが、どちらにしたらいいでしょうか。(40歳・男性)
A
大動脈弁狭窄症は、血液を全身へ送り出す心臓の大動脈弁が石灰化して開きにくくなる疾患で、重症化すると突然死に至るケースもあります。悪くなった弁を完全に治すためには、弁を切り取って取り換える「人工弁置換術」という手術を行います。
ご質問にあるように、現在、日本で使用できる人工弁には、大きく分けて「生体弁」と「機械弁」の2種類があります。他に合併症があるなどの問題がない場合、患者さんは、どちらの弁を希望するか選択できるのが一般的です。最近は、弁置換術を受ける患者さんの7割くらいは「こちらの弁を使ってほしい」とはっきり伝えてくるようになっています。ただし、自分で納得したうえでどちらの弁にするか選択するためには、それぞれのメリットとデメリットをしっかり理解しておく必要があります。
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