生体弁は、ブタや牛の弁などを人間に使えるように処理したもので、自身の弁に近く血栓ができにくいという利点があります。しかし、耐久性が低い点がデメリットです。若い人ほど劣化が早く、35歳以下なら早い人だと10年以内、35歳以上は15~20年くらいで硬くなったり、穴が開いたりしてきます。そうなると、再び弁を交換しなければなりません。
また、患者さんがステロイド薬を服用している場合は、抵抗力が落ちて有害な細菌を取り込みやすい状態になっているため、心内膜炎などの感染症を引き起こしやすくなってしまいます。そうした患者さんは、生体弁は好ましくありません。
人工透析を受けている患者さんも、生体弁はあまりお勧めしません。弁の石灰化が早く、生体弁では5年程度で劣化による再狭窄を起こしてしまうからです。35歳未満の若い人、とりわけ10代の患者さんもすぐに石灰化してしまいます。その場合、最初から機械弁を使って20年以上もたせた方が望ましいでしょう。
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