東洋医学でよく言われるのが、「天人合一説」。天と人は一緒で、自然界で起こっていることは人体でも起こるという考えのことです。
秋を迎えた今の時季、空気が乾燥しています。これを「燥気」といって、人体に入って害を及ぼす「燥邪」になると、肺ではぜんそく、大腸では便をコロコロにして便秘、皮膚ではかゆみ、鼻には菌やウイルスを入り込みやすくして風邪をひき起こす、とみなします。
燥気が燥邪に変わりやすい人は、顔色がすすけた白っぽい感じの人。といっても、“もち肌”の白さではありません。肺や呼吸器系に問題がある人は、燥邪が先か体質が先かは分かりませんが、今の季節は特に気を付けた方がいいでしょう。
この時季をうまく乗り越えられなければ、次の時季にもダメージを持ち越すことになります。ちなみに、東洋医学では四季ではなく、五行の春、夏、長夏、秋、冬の「五季」と考えます。
体調管理は、食生活から。秋にいいのは、白っぽい食品や辛い食品です。大根、ネギ、玉ネギ、ショウガ、里芋などがいい。これらの具材をたっぷり入れたみそ汁などおすすめです。
次の季節、冬は冷え性や腰痛、耳、骨や髪のトラブル、精力低下などが起こりやすい。冬にいいのは黒い食品です。アサリ、シジミ、ハマグリ、昆布、ヒジキ、海苔、アワビ、クラゲなどを選んでください。体を冷やすと思考がめぐらないので、頭をフルに働かせたければ、不調がなくてもぜひ。
漢方達人をめざせ!