2003年の「シックハウス法」の施行以降に建てられた建築物は、すべて内装建材の使用制限と24時間換気システムの設置が義務付けられている。建材から発散されるホルムアルデヒド等を原因とするシックハウス症候群を防ぐためだ。
では、それ以前に建てられた換気装置のない住宅はどうすればいいのか。国立保健医療科学院の林基哉統括研究官(工学博士)が言う。
「シックハウス症候群は、住まいに起因する健康影響の総称で、ホルムアルデヒドだけが問題なのではありません。建材などから揮発した化学物質は、頭痛、めまい、目の痛みなどを引き起こします。化学物質過敏症を招くこともある。室内換気が悪いと、建材から発散されるホルムアルデヒド等の化学物質の室内濃度が上昇するだけでなく、ハウスダストやダニ、カビなどアレルギー物質の空気中の濃度も上昇するのです」
ホルムアルデヒドは、どれくらい経過すると濃度が下がるのか。
健康は住まいがつくる