家計簿を見れば病気がわかる

わずかな赤身でも大腸がんは増えている

(C)日刊ゲンダイ

 肉中心の食事を続けていると、大腸がんにかかりやすいといわれています。ただし悪いのは赤肉(牛・豚などの赤身肉)です。鶏肉など色の薄い肉は、大腸がんと関係ないといわれています。実際、世界各国の1人当たりの赤肉の消費量を横軸に取り、大腸がんの罹患率を縦軸に取ると、ほぼ直線関係にあることが分かっています。

 日本は世界的に見れば、肉を食べない国民ですから、大腸がんもかなり少なめです。しかし食の欧米化に伴って、じわじわと増え続けています。死亡数は、肺がん、胃がんに次いで、第3位です。

 昨年、国立がん研究センターが、全国の都道府県のがん罹患率を公表して話題になりました。

 それによれば、大腸がんの罹患率が高い県は、男性で青森・岩手・秋田・長野・三重・和歌山・鳥取・島根・長崎など。また女性では北海道・青森・岩手・秋田・三重・京都などとなっています。男女とも高いのは東北3県と三重県です。

1 / 2 ページ

永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。