病院は本日も大騒ぎ

強制退院を告げる際の常套句「入院申込書に明記してます」

 まあ、反りが合わないというか、気に食わない人というのはどこにでもいるものです。それ自体は仕方がないことなのですが、問題はここが病院だということです。

 病気治療のために共同生活をしているのですから、病院の規律を守らない勝手な患者さんには強い態度で臨みます。最初は注意や警告ですが、最終的には「強制退院」ということになるのです。

 例えば、先にお話ししたケースなら、まず双方のベッドを窓側と、廊下側に離します。それでも顔を合わせるといがみあいになるようなら、部屋替えです。しかし、廊下やトイレで鉢合わせすると、お互いに腕をつかみあってケンカする人もいます。

 何度か注意し、警告しても聞き入れてくれない場合は、ご家族を招いて事情を説明し、強制退院をしていただきます。

 なかには、“治療中の病人を追い出すなんてひどい”と抗議される方もいます。しかし、トラブルを頻繁に起こす人を放置しておくと、何かの拍子に重大事故に発展しないとも限りません。

「入院申込書に明示してありますよ」

 この一言が最後の切り札になります。

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